再生について(再生観)

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●人間観…人生観…死生観…死の直後…幽界…霊界…再生観(人間が今後たどる道筋)

最後のテーマの再生観について学びます。再生の事実は進化した高級霊のみが知ることができ、シルバーバーチの登場によって最奥の真実が明らかになりました。人間は数回の再生を繰り返して学びの足りない分を、人生経験を通して霊的成長し、その後は長い霊界人生を歩みます。数千年後、数万年後には地上人生での体験が必要としなくなる境涯へ入っていきます。

幽界を卒業し霊界に進級すると、霊的成長レベルの同じ者同士が引き合って大小さまざまな「霊的グループ(霊的家族)」を形成し、そのグループを単位にして共同生活が営まれます。そこではお互いの利他愛の実践によって更に共同で霊的成長をしていきます。その霊的グループが一つの霊界の界層になります。霊的グループの中で構成メンバーの心が融合して一つの意識体(心・魂)が形成され、それが「類魂」と言われるものです。(*シルバーバーチは「類魂」をダイヤモンドにたとえて、それには多くの面(相)があるとしました。又これをインディビジュアリティーとも言います)集合化した霊的意識・共有意識・意識の一体化・個人の意識は全体の意識・個としての私は大きな私・・・というような状態になります。そして全体が融合していても個の意識もしっかり残っている状態です。

「類魂」のメンバーは自分と他人が一体化したような体験の中で、他人の心を自分の心として共有することになり、まさに自他が一体化しているのです。「再生」とはこの「類魂」を土台にして発生する共同成長のシステムなのです。「類魂」という大きな共有意識体の一部分(分割部分)が、一人の再生者の「霊の心(霊的意識・魂)」になって地上に再生します。再生の目的には、「類魂全体の霊的進化」と「個人のカルマの清算」という二つの主な目的があります。「人類救済の使命」を入れると三つになります。

<再生の目的>
●類魂全体の霊的進化——類魂のメンバーの一人が地上に再生し、そこでの体験を類魂   に持ち帰ることで、類魂全体の進化が促されます。次の再生時には別のメンバーが入れ替わり、別の地上体験を持ち帰ります。それを繰り返し、結果的に多くの種類の体験を 積むことで類魂全体が進化向上していきます。
●個人のカルマの清算——類魂のメンバーにかつて地上時代に犯した罪(摂理違反・カ ルマ)が清算されずに残っている場合、苦しみを通してその罪を償い消滅させ、霊的成長の足かせを取り除くことが必要となります。このために新たな地上体験(再生)を求めるようになるのです。指導霊に再生を願い出て許可されると、本人にとって最もふさわしい環境(人種・民族・国・社会・時代・性別・親など)を選択し、選ばれた親の元に子供として誕生することになります。そしてカルマを清算する人生が展開(苦しみの体験)し、死を迎えて、再び霊界の類魂のもとに合流することになります。
●人類救済の使命——人類救済の使命を受けて人生を懸けて働く場合があります。

*霊的なことを物質界の言葉で説明するのは極めて困難を要します。霊界と地上界では霊質と物質の大きな違いがあり、霊的なことを言語で表現できないのです。

地上への再生人生は物質中心主義・利己主義の支配する厳しい環境です。しかし物質世界でしか得られない体験による試練は、これから永遠にたどる人生の基本となる霊格形成に絶対必要です。生活に「霊的真理」を指針として営むことで霊的成長が可能となります。霊的真理を手にした者は真の幸福に至るレールに乗ったと言えます。とは言っても未熟な人間は、カルマ清算すると同時に新しいカルマもつくり続けていると言われています。進化向上には遅々とした歩みで、確実な進歩が要求されます。霊的なものこそ物質的宝を失った後も永遠に自分のものとすることができ、自分の内面を美しく磨くための必須の宝物です。

巷にあふれている宗教的常識には、真実とは遠くかけ離れたものが多く存在します。「今の私がそのまま再生する」も「同じ自分が何度も再生を繰り返す輪廻転生」も間違いです。再生の真実を理解するためには、今自覚している自分(パーソナリティー)と意識の総体(インディビジュアリティー)を知らないといけません。

最後にシルバーバーチの言葉を掲載します。なおこれらの引用にあたっては、スピリチュアリズム普及会さんの許可を得ています。

「私は再生が事実であることを、いささかの躊躇もなく断言します。ただ私は、すべての人が再生するとは言っておりません。私が言っているのは、人間の個性というのはそれ自体が独立した存在ではなく、大きなダイヤモンドの無数の側面の一つにすぎないこと。その側面が地上へ誕生して体験を積み、それによって得られる霊的成長をダイヤモンドに持ち帰って、一段と光沢と輝きを増すことになるということです。
それは、支払うべき霊的借金とでもいうべき宿業(カルマ)を持った人が因果律の働きで戻ってくる場合もありますし、進化した高級霊が特定のグループ、時には特定の国家のために貢献する使命をもって降誕する場合もあります。その霊の持つ資質と才能とがその地域の人たちに必要だからです。」(シルバーバーチ

「霊界には、すでに地上生活を体験した霊が大勢います。その中には、もう一度地上へ戻って果たさねばならない責任、やり直さなければならない用事、達成しなければならない仕事といったものを抱えている者が沢山います。そして、その目的のためのチャンスを与えてくれる最適の身体を求めているのです。」(シルバーバーチ

「この世に再生する前の判断力と、再生してからの肉体器官を通じての判断力とでは大きな差があります。もちろん再生してからの方が肉体器官の機能の限界のために、大きな制限を受けます。しかし、大半の人間は、地上でたどるべき道程について、再生前からあらかじめ承知しています。」(シルバーバーチ

「カルマによる義務の遂行のために戻ってくる人もいれば、自発的に地上での貢献を目的として戻ってくる人もいます。男性として戻ってくるか女性として戻ってくるかは、格別に重大なことではありません。私たちの世界には性差別防止条例はありませんので!霊的進化の程度が唯一の基準です。男性であるか女性であるかは問題ありません。」(シルバーバーチ