インディビジュアリティーとパーソナリティー

a.keyword { border: 0 !important; text-decoration: none !important; pointer-events: none !important; cursor: default; color: #5A5A5A; }

前回の再生観の補足をします。シルバーバーチによって明らかにされた再生の真実は「類魂」がキーワードです。これを知らないで再生についての事実は分かりません。霊界では霊的成長レベルが同じ者同士が引き合って、大小さまざまな「霊的グループ(霊的家族)」を形成します。この霊的グループを単位にして共同生活が営まれ、グループ全体で霊的成長を続けていきます。その一つの「霊的グループ」が一つの界層となり、無数にある「霊的グループ」がある分、無数の霊界層が存在することになります。

霊的グループは大小さまざまな複数の人数によって形成されています。その構成メンバーの心が融合して一つの大きな意識体(心・魂)が形成されます。メンバーの共有意識・共有魂を類魂(大きいインディビジュアリティー)と言います。単なるメンバーの心の寄せ集めではなく、それらが融合し一体化したもの、全体意識のことを言います。その中では他人の心を自分の心として共有し、まさに自他が一体化しているのです。それでいて個人としての意識もしっかり保持しています。再生とはこの類魂(大きいインディビジュアリティー)を土台として発生する共同成長のシステムのことを言います。

では一体何が再生するのか?シルバーバーチは「類魂(大きいインディビジュアリティー)」をダイヤモンドにたとえて、それには多くの面(相)があるとしました。その一つの面(共有意識体の一部分)が、一人の再生者の「霊の心(霊的意識・魂)」となって、地上に再生するのです。類魂という大きな意識体(大きいインディビジュアリティー)の分割部分(個のインディビジュアリティー)が「再生の主体」になります。個のインディビジュアリティーの大部分が「潜在意識」となります。そして、その一部が脳を通してにじみ出し、肉体本能と一緒になって顕在意識になります。この「顕在意識」によって形成されるのが「パーソナリティー」という物質的な人物像です。地上人は、このパーソナリティーを「自分」だと自覚することになります。

そうして一人のメンバーが地上人生を終え、死後は、パーソナリティーが大きいインディビジュアリティーの中に溶け込み、肉体の死とともに消滅してしまいます。次の再生時には今とは別の新しい、インディビジュアリティーの一部(個のインディビジュアリティー)が地上に現れ、これが新しい人格・人物像(パーソナリティー)を形成することになります。これを地上人(地上サイド)から見れば、今の自分は死とともに消滅し、再生時には別の人間が現れるということになります。霊的グループのメンバーの地上人生の体験の積み重ねによって、霊的グループは霊界層を進化向上していきます。これが類魂を土台とした再生による霊的向上の実態です。

その霊的グループの中でメンバーより一歩先んじて進歩する者が現れます。するとその者は一段霊性の高い別の霊的グループへと入っていき、新しいメンバーとともに成長を続けていくことになります。再生の問題は多くある霊的知識の中でも特に複雑で理解が困難なテーマです。

最後にシルバーバーチの言葉を掲載して終わります。なおこれらの引用に対しては、スピリチュアリズム普及会さんの許可を得ています。

「あなたはそうした霊的本性に合った世界へ赴くのです。特別の使命がない限り、それよりも低い世界へは行きたいとは思いません。が、それより高い世界へは、行きたくても行けません。その時に発揮しているバイブレーションより高いものは発揮できないからです。そういう次第ですから、結局は霊的成長度と霊的能力において同等の人たちと交わることになるわけです。(中略)すべては霊的成長度によって決まるのです。その点が地上世界とこちらの世界との大きな違いです。今あなたが生活しておられる世界では、精神的にそれぞれに程度が異なる人々が同一平面上で暮らしております。が、こちらへ来ると、同じ程度の人たちと一緒に暮らすことになります。といって、たとえば大音楽家の音楽が聴けなくなるという意味ではありません。生活上で交わる相手が同格の霊性を身につけた者に限られるということです。絶対に誤ることにない霊的親和力の法則によって自然にそう収まるのです。」(シルバーバーチ
「パーソナリティーとインディビジュアリティーの違いを理解しないといけません。パーソナリティーというのは、物的身体を通して顕現した地上だけの人物像です。インディビジュアリティーというのは、魂の全体像です。その全体像を地上での70年や80年、あるいは90年の間に発揮することは到底不可能です。」(シルバーバーチ
「私は再生が事実であることを、いささかの躊躇もなく断言します。ただ私は、すべての人が再生するとは言っておりません。私が言っているのは、人間の個性というのはそれ自体が独立した存在ではなく、大きなダイヤモンドの無数の側面の一つにすぎないこと。その側面が地上へ誕生して体験を積み、それによって得られる霊的成長をダイヤモンドに持ち帰って、一段と光沢と輝きを増すことになるということです。それは、支払うべき霊的借金とでもいうべき宿業(カルマ)を持った人が因果律の働きで戻ってくる場合もありますし、進化した高級霊が特定のグループ、時には特定の国家のために貢献する使命をもって降誕する場合もあります。その霊の持つ資質と才能とがその地域の人たちに必要だからです。」(シルバーバーチ
「こうした問題はすべて、自然法則の働きのよって解決されます。再生すべき人は、自分でそう決心するのです。つまり、意識が拡大し、今度再生したらこれだけの成長が得られるということが分かるようになり、それで再生を決意するのです。再生専門の機関や霊団がいるわけではありません。すべて魂自身が決めるのです。」(シルバーバーチ