神について(神観)

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肉体をまとい霊的感性が鈍くなっている地上人は、霊的世界のごく一部を知ることしかできません。地上の大霊能者・大霊覚者といえども、神認識能力は赤ちゃんのレベルと言えます。実は神に対する認識は、霊界の様子を知ることよりも、さらに次元の高いことなのです。高級霊からの霊界通信によって、私たちは神について、霊界について多くの知識を手にすることができました。

霊界の住人は‶霊的直感″において神を実感的に認識しているため、「神観(神の理解)」は常に統一されています。スピリチュアリズムの神観とは、霊界人に共有され、全ての霊たちにとって常識となっている神の共通見解・共通理解に他なりません。地球人類はスピリチュアリズムによって霊界人と共通の神認識を持ち、共通の神信仰へと踏み出すことになったのです。遠い将来、地球人類の霊性が今よりずっと進化した時には、人類はさらに多くの神についての霊的知識を得ることになります。

シルバーバーチの神観のポイント(神の定義)>
① 創造主としての神——神は霊界と宇宙、そこに存在する全ての生命体・存在物を創造しました。神は人間に自分の本質である霊を分け与え、人間を独立・個別化されました。分霊化された人間は神を「霊的親」とし、全ての人間は同じ神の霊的子供・霊的家族となりました。人間には「神の分霊(ミニチュアの神)」が内在しており、これが人間の本体であり人間は永遠に存在し神に近づく歩みをしていきます。人間の肉体能力や心の要素(知・情・意)のすべては元々神の内に存在していたものです。人間は未熟な形から出発し、霊的成長によって進化向上していくことになります。
② 大霊としての神——神は無形であり無限の存在であり、あらゆる区別・形式・概念を超越していて、すべてにあまねく偏在しています。神は霊界・宇宙のすべてを包み込むような広がりを持った大きな心のような存在、大きな意識体と言えます。神と無関係な存在は一つもありません。したがって、神から誰一人として切り離されることはありません。
③ 愛の始源としての神・究極の愛としての神——神は人間にとって「霊的親」であり、神と人間は「愛」によって結ばれています。人間同士を結び付けるのも神の愛によります。全人類は神を共通の親とする「霊的一大家族」です。神は被造世界と被造物を支配し維持するために「摂理」を設け、その「摂理」の背後には神の愛が控えています。‶愛″こそが根源的であり、愛があればこそ法則が機能するようになっています。
④ 摂理(法則)としての神——人間から見ると神は冷たい「摂理」として映りますが、人間は摂理に従い添って生きることで真の幸福に至ることができます。すべての人間が完全平等・完全公平に扱われ、例外というものはありません。従来の宗教の教えのように、人間中心の要求や願いが聞き届けられることはありません。神の完全性と偉大さは、摂理(法則)の完璧性を通して知ることができます。人間は摂理を通じて神と間接的に関係を持ち、人間サイドから見るなら「神は常に摂理として現れる」ということになります。従来の宗教の最大の欠点が「摂理」についての無知です。
⑤ 究極の理想・目標としての神——人間は永遠の霊的成長の道をたどりますが、それは終わりのない神への接近のプロセスです。人間は「利他愛の実践」を通して神を愛することになり、内部の「神性(霊性)」を拡大させ、神との愛を深めていくことになります。しかしどこまで行っても神と人間が融合することはありません。人間にとって神は、永遠に目指し続ける「究極の目標」であり「理想」です。

*真実の神とは①~⑤を合わせて一つにした大きな存在と言えます。この5つの定義の中で④の「摂理の神」がシルバーバーチの神観の最大の特徴であり最重要項目となっています。

次回は「摂理」についてお送りします。最後にシルバーバーチの言葉を掲載して終わります。なおこれらの引用にあたっては、スピリチュアリズム普及会さんの許可を得ています。

「神は人間を霊的にご自分に似せて創造されたのです。生命は霊であり、霊は生命です。霊的に似せて創造された以上、あなたは永遠に神とつながっており、神性を共有しているのです。ということは、必然的に人間は霊的大家族の一員であることになります。同じ神性が宿っているからです。ですから人間は、霊的に神に似ているのであり、姿が似ているというのではありません。」(シルバーバーチ
「神は万物の内側にも外側にも存在しています。神から離れては誰一人存在できません。神から切り離されるということはあり得ないのです。あなたの中にも存在しますし、雨にも太陽にも花にも野菜にも動物にも、その他いかに小さなものでも、存在を有するかぎりは、すべてのものに宿っているのです。私が大霊と呼んでいるこの神の概念を伝えるのは至難の業です。あらゆるものを支配し、あらゆるものから離れず、存在するものすべてに内在している崇高な力です。」(シルバーバーチ
「宇宙に存在を与えたのは神の愛です。宇宙が存在し続けるのも神の愛があればこそです。全宇宙を経綸し全存在を支配しているのも神の愛です。その愛の波長に触れた者が自分の愛する者だけでなく、血縁によって結ばれていない赤の他人へも手を差し伸べんとする同胞愛に燃えます。愛は自分より不幸な者へ向けて自然に手を差し伸べさせるものです。全生命の極致であり、全生命の基本であり、全生命の根源であるところの愛は、よりいっそうの表現を求めて人間一人ひとりを通して地上に流れ込みます。そして、いつの日か、全宇宙が神の愛によって温かく包まれることになるでしょう。」(シルバーバーチ
「物的世界は、他のすべての世界と同じく、絶対不変の摂理によって支配されております。その摂理は無限の過去から存在していましたし、これからも無窮の未来まで存在し続けます。予期しなかった事情が生じて改めざるを得なくなることは絶対にありません。その作用は完璧であり、停止することも、無効になることもありません。無限の知性によって考案されたものだからです。」(シルバーバーチ
「宇宙は、誤ることのない叡智と慈悲深い目的をもった法則によって統括されています。その証拠に、あらゆる生命が暗黒から光明へ、低きものから高きものへ、不完全から完全へ向けて進化していることは、間違いない事実です。このことは、慈悲の要素が摂理の中に配剤されていることを意味します。ただ、その慈悲性に富む摂理にも機械性があることを忘れてはなりません。」(シルバーバーチ