救済の観点から見たスピリチュアリズムの全体像

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(*この項目は2018・4・14東京スピリチュアリズムサークル読書会にての学習内容です)
スピリチュアリズム運動とは、霊界主導の地球人類救済計画(スピリチュアリズムの定義)のことを言います。地球人類が悲劇の中で苦しみ、不幸に喘いでいるのを見かねて、人類救済の目的でスピリチュアリズム運動が興されました。救済の方法は「霊的真理」を地上に降ろし、‶人類がその「霊的真理」にそって生きることで人類を救う″というものです。従来の宗教は霊的に無知であり、間違いだらけの教義では人類は救われません。地上のすべての宗教はその意味で失格と言えます。スピリチュアリズムの主役は、高級霊団でありその中心が、かのナザレのイエスです。地上の人間は霊界の道具であり、シルバーバーチは‶地上の道具がなくては何もなし得ない″と語っています。

<地上を覆っている6つの悲劇>
① 戦争・紛争——無理やり肉体から切り離され、霊的成長のチャンスを失わせる。生きる希望を失わせます。霊的観点から最大の悲劇と言えます。
② 貧困・飢餓——生き延びるだけで精一杯であり、戦争と同じく霊的成長のチャンスを失うことになります。
③ 間違った宗教による霊的牢獄化——間違った教えに魂ががんじがらめになり、同じく霊的成長のチャンスを失います。
④ 精神の堕落・退廃——戦争の無い国は精神的地獄であり、何のために生きているのか分からない状態になっています。精神は人間の本質(魂)に関わることであり、肉体の衰弱より重大です。
⑤ 動物虐待・環境破壊——人間には霊的に低い動物・植物を可愛がり指導する義務があります。環境破壊により人間が住めなくなり、命にかかわる災害・天候不順による作物の不作などに陥ります。
⑥ 霊界下層の地獄化——霊的成長できずに他界した地縛霊が、霊界下層にて地上に悪影響を及ぼします。

全ての悲劇の原因を突き詰めると、たった一つの「霊的無知」という原因にたどりつきます。地上はモノやお金だけに価値があるという唯物主義に支配され、そこから物質的価値観・物質的幸福感が発生します。人々はこの世だけしかないと思うと、できるだけ楽しまなければ損と思います。死は最大の恐怖であり、限られた人生を、本能的快楽を追求して生きるようになります。そこからモノやお金を奪い合い、自分さえ幸せであればよいという「物質中心主義・利己主義」が人間の心を支配します。それがさまざまな悲劇をもたらし、地上は地獄化し、暗黒の世界となります。

人類救済のためには「霊的真理・霊的知識」が必須であり、それがなければ人類救済という大計画は果たせないことになります。霊的真理にそって生きることで霊的価値観・霊的幸福感を実感し、「霊中心主義・利他主義」が人類の心を支配するようになります。死ねば物質的な物には一切の価値がなくなり、唯一霊界に持っていけるのは、決して奪われることのない霊的成長という最大の宝物です。地上人生は霊界へ行くための準備の場所です。人間は死によって少しも変わりません。性格も考え方も霊性も地上にいた時のそのままをたずさえて霊界にいきます。地上にいるうちに「霊的真理」にそった正しい生き方をすることによって霊的成長を果たし、その成長度に見合った霊界層に行くことになります。

「霊中心主義・利他主義」が地球規模で広がることで地上天国化(霊的同胞世界)が実現し、個人の救済ばかりでなく、地球規模での人類救済大計画が成就することになります。それがスピリチュアリズムの最終目的です。地上で「霊中心主義・利他主義」で生きるには厳しい奮闘努力が必要とされますが、自分で自分を救う(自力救済)というのが摂理なのです。自力救済のプロセスは人間の霊的成長のための正しい生き方であり、神の願う「霊的人生」を歩むことです。霊的人生は「霊的真理」を受け入れるところから始まります。

<自力救済のプロセス>
① 霊的真理の正しい理解——一部分・自己流の理解は価値がないばかりでなく弊害を引き起こします。真理の重要な知識を関連づけて全体を正しく把握(真理の体系的理解)し、そして何を実践するのかの内容を正しく理解します。
② 霊的真理の正しい実践——霊的成長のための実践内容「霊主肉従の努力」「利他愛の実践(周りの人や動植物)」「利他愛の実践(真理の伝道)」「苦しみの甘受」、これらの実践によって霊中心主義・利他主義が実現します。
③ 神と摂理への絶対信頼——正しい信仰心に至ることで自力救済が果たせます。その自力救済こそが霊的成長することなのです。

霊界では地上人類のため大軍団が組織され、大変な困難・犠牲のもと人類の指針とすべき「霊的真理・霊的知識」を降ろしてくださいました。あとはそれを受け取った地上人にかかっています。霊的真理に価値を見い出せるのはそれなりの霊性に至った人間に限ります。そしてそういう人間はほんのわずかなスピリチュアリストだけです。霊的に目覚めたスピリチュアリストは、道具として生きることが最も価値ある生き方であることを認識しています。

——シルバーバーチの言葉——
——今日の地上世界で要請されている最も急を要する改革は何だとお考えでしょうか。
「これは難問ですね。と言いますのは、いま地上全体には、改善が叫び求められている不公正、矯正が叫び求められている間違い等々、どこから手を付けたらよいか分からないほど沢山の、悪疫ともいうべき文明の汚点が存在するからです。しかし、その中でも一ばん急を要する改善は、わたしに言わせれば、数え切れないほどの人間を苦しめている無くもがなの貧困、悲惨、窮乏です。全体としては十分なものが用意されているのに、物的生活の基本的必需品にも事欠く人がいるということは間違ったことです。有り余るほど持っている者と不足している人たちとの間の格差を修正すること、これこそが現在の地上の焦眉の急です。内部の神性を発揮しようにも、肝心の身体が惨めなほど疲弊し衰弱している魂に対して、いったい自我の発見などということが説けるでしょうか。私たちは決して人間の身体上の必需品について無関心でいるわけではありません。身体と精神と霊とが自然の状態で生活する上で、‶本当に大切なもの″を見い出すことができるような、そういう生活環境を築くことこそ私たちに課せられた使命なのです。」(霊性進化の道しるべ)

「これまで私たちが成し遂げてきたものは、これから成就可能なことに比べれば、ほんのささやかなものでしかありません。大霊の働きに‶限界″というものはないのです。地上の道具(霊媒)が私たち霊界の者に正しい通路を準備してくれるならば、地上界へ届けられる叡知にも、インスピレーションにも、霊的真理にも、限りはありません。地上界を満たすべく用意されている強大な霊力にも制限というものはないのです。」(教え上)

「いつの日か、地上のすべての人種が差別なく混じり合うようになるでしょう。どの人種にも、果たすべき役割があるからです。それぞれが人類に役立つものを持っているために、全ての人々が混じり合うようになるのです。霊眼を持って見れば、すべての人々がそれぞれの人種の長所と、独自の文化と、独自の知恵を持ち寄って調和のとれた生活を送るようになる日が、しだいに近づきつつあることが分かります。」(教え上)

「私たちは、何ひとつ見返りを求めてはいません。栄誉を欲しているわけではありません。ただ、皆さん方のお役に立ちたいと思っているだけです。忘れられてしまった霊的真理を改めて啓示し、それによって地上の人間が物質界にも存在する霊力を再発見し、新たな希望と新たな生命を呼び覚ますことになればと願っているのです。」(教え上)

*詳しい内容を知りたい方は、スピリチュアリズム普及会のホームページをお読みください。
*なおこれらの引用にあたってはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。