地上は永遠の進化向上の出発点

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地上人生を歩む上で、誰もが何らかの困難・苦難に出会い、時にはそこから逃れたいため‶死にたい″とさえ思うことがあります。実は、地上人生は苦難の体験を通して霊的覚醒に至り、霊的成長の基礎作りをするために生まれてきたのが本当の目的です。現在、身体的・精神的に大変な苦痛の最中にある人は、霊的覚醒のチャンスに至っているのかもしれません。至らなくても、少なくとも重要な実りの一環を体験していることに違いありません。

霊的覚醒にはそれなりの苦痛体験ではたどり着けません。命にかかわるほどの重く危険な苦しみを乗り越えて、初めて手にできるものです。あるいは前世にそこまでの経験に達し、今世すでに霊的成長に向かってスタートしている人もいます。霊的に目覚めた人は、地位・名誉・財力・権力とは無縁に「霊的宝」を手にすることになります。そして人間は、物質的存在だけではなく霊的存在であるという、霊的最奥の秘密を知ることになります。その人はシルバーバーチの言葉を読んで、自分の過酷な人生と兼ね合わせて、魂が震えるほどの感動を覚えることと思います。

——シルバーバーチの言葉——
「人生の出来事——時には辛く絶望的であり、時には苦しく悲劇的であったりしますが——その一つひとつが、これからたどり行く道に備えて、魂を鍛える役割を果たしているのです。困難・障害・不利な条件——これらは魂の試練なのです。それらを克服していくことによって魂がいっそう充実し、向上し、一段と強くそして純粋になってまいります。」(道しるべ)
「地上のいかなる体験も、それに正しく対処し正しく理解すれば、必ずや人間にとってプラスになるものを有しております。いったい何の困難も、何の試練も、何のトラブルも、何の苦痛も、何の悩みもない世界が想像できるでしょうか。そこにはもはや進化向上の可能性がないことになります。克服すべきものが何もないことになります。ただ朽ち果てるのみです。」(道しるべ)

スピリチュアリズムにたどり着いた人は、厳しい試練を果敢に乗り越えてきた人です。「霊的覚醒」に至ったことがそのことを証明しています。その人は、これまでの体験を無益ではなく、有益な試練の人生を歩まれてきたのです。良かったことも失敗したことの全て、スピリチュアリズムに出会うために必要な体験でした。自分を見直し人格形成するために必要な試練だったのです。そして事実、これまでの試練を人格形成の基礎作りにしてきました。すべての経験から学ぶことで、これまでの人生は無駄ではなかったのです。

その当時は辛くて苦しくて痛くて・・・そういう人生を恨んで涙にくれたかも知れません。ですが、その経験があったからこそ霊訓に出会い、確信を得、学びと実践によって霊界に認められる存在になれるのです。その意味でその人のこれまでの地上人生は成功でした。これからは永遠の霊的進化向上の道へと導かれます。そして「霊的真理」という手引書を手に、さらなる厳しい学びと実践の努力で、霊的成長を重ねていきます。魂に輝きを増すための旅路であり、理想とする「神」に向かっての、永遠の霊的進化向上の旅路です。それは自分で自分を救うという克己の努力による、自力救済の旅路でもあります。

しかし、決して孤独な寂しい一人旅ではありません。私たちには、地上に生まれる前から深くて純粋な愛で守り導いてくれる守護霊が付き添ってくれています。目には見えなくても摂理の範囲内で、励ましと勇気と援助を与えてくれています。また霊界では、霊的成長をなした私たちを心待ちにしている類魂がおります。肉親よりも親和性の強い仲間たちです。厳しい地上人生を終えた後は、利他愛の充満する美しい霊界へ進級します。自分のためだけの地上人生でないことを心して、一緒に価値ある人生を歩んでまいりましょう。

霊的成長のための必須項目には「霊主肉従の努力」「利他愛の実践(周りの人たちへの利他愛)」「利他愛の実践(真理の伝道)」「苦難の甘受」があります。
*詳しくはニューズレター42号・43号と、思想Ⅲ実践項目1・2・3・4をご覧ください。

——シルバーバーチの言葉——
「人間は、自己との闘いを通して自らの不完全さを克服し、神性の開発が可能になるのです。」(教え上)
「地上の人間は一人の例外もなく、自分の努力で人格を形成し、自分の努力で霊的進化を達成するために地上界へ来ているのです。」(教え上)
「人間は霊的に成長することを目的として地上に生まれてくるのです。成長、また成長と、どこまでも成長の連続です。それは地上だけでなく、こちらへ来てからも同じです。」(教え下)
「他方において忘れてならないのは、人間は無限の可能性を秘めていること、人生は常に暗黒から光明へ、下層から上層へ、弱小から強大へ向けての闘争であり、進化の道程を絶え間なく向上していくものであるということです。闘争もなく困難もなければ、霊にとって征服すべきものが何もないことになります。
人間には神の無限の属性が宿されてはいますが、それが発揮されるのは、努力による開発を通してしかありません。その開発の過程は黄金の採取と同じです。粉砕し、精錬し、磨き上げなければなりません。地上にも、いつかは邪悪の要素が大幅に取り除かれる時が来るでしょう。しかし、改善の可能性が無くなる段階は決して来ません。なぜなら、人間は内的神性を自覚すればするほど、昨日の水準では満足できなくなり、明日の水準を一段高いところにセットするようになるものだからです。」(スピリチュアルメッセージ)

*これらの引用にあたっては、スピリチュアリズム普及会の許可を得ています。