宗教の観点から見たスピリチュアリズムの全体像 その1

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9月、コロナ感染パンデミックの最中、又猛暑の中、私と娘夫婦は引越しに汗と体力を労しました。10年間は住む予定だった前のマンションは、家主の競売の関係で否応なく追い出されてしまった感じです。結局2年で転居になりました。引っ越すマンションは壁も床も畳も張り替えられ、キッチンと洗面台は新しい物に替えられ、ベランダも専門業者が掃除したと思われるほど綺麗になっていて、気持ちよく新生活をスタートできます。マンションの隣は和食レストランがあり、真向かいにはスーパーマーケットがあり、その両隣りには焼肉店(用はありませんが)と寿司店が並んでいます。駅にも近くなりました。そのマンションは一階が半地下になっており、我が家は2階ですが、中2階という形で階段が6段しかありません。老体の私には有難いことが多い環境の住処です。ここで時期のきた同胞と出会いたいと願っています。

 (*ここから9月度読書会の学習内容です)

宗教の観点から見たスピリチュアリズムの定義は、「霊界主導の人類史上、最大の宗教革命」「霊的真理による地球上、最大の宗教革命」です。7月読書会まで学習した救済の観点から見たスピリチュアリズムの定義も、「霊界主導」と「霊的真理」が基本であり絶対です。スピリチュアリズムによる宗教革命とは、「霊的真理の普及によって、地球上のすべての宗教を霊界の宗教に置き換えようとする、宗教の大変革」のことです。

 地球上の宗教は、霊的に見るとすべて失格です。霊的な知識は何も知らず、間違った教えを説くことで人々の魂を霊的牢獄に閉じ込め、宗教の目的である「霊的成長」をなおざりにしています。人間に幸せをもたらすものは霊的成長であり、それを妨げる教義は「魂の病」をもたらします。組織にとって都合のよい教えを説き、組織エゴを増大させ、戦争・紛争などの悲劇をもたらしています。宗教は本来、人々の心を一つにして幸せにするものです。地上の宗教は‶人類の敵″であり人類にとって存在しない方がよいということになります。

 霊界の宗教は、700億を超える霊界人全員が「唯一・共通の宗教」を信じています。「神」と神の造った「摂理」を信仰対象とし、すべての霊が神の摂理による支配を認識しています。摂理に一致した奉仕の生き方がそのまま信仰実践になっています。霊的成長に関わる摂理には「利他性の摂理」と「カルマの摂理(原因と結果の法則)」があり、「利他性の摂理」が最も重要となっています。地上の宗教のように宗教組織や宗教形式はなく、あらゆる点で地上の宗教とは正反対です。

 人類のほとんどは地上の何らかの宗教を信仰しています。スピリチュアリストの中にも『シルバーバーチの霊訓』と出会うまでは、教団に忠誠を尽くしてきた方がいることと思います。私も一生懸命教会に通い家庭の平和と家族の健康を祈り、布教とお布施に労力をつぎ込んできました。そして宗教同士、宗派同士の醜い争いに乗じて、自分の信仰が最高であると信じていました。しかし霊的無知である以上、どれほどの信仰心を持っていても魂の向上は望めないことが分かります。

 『シルバーバーチの霊訓』によって、宗教とは霊的成長を促す教えを説かなければならないことが分かりました。それには霊的真理の受け入れが必要であり、真理の正しい理解により正しい生き方を実践することで一人一人の霊的成長が叶います。それが拡大することでスピリチュアリズムの最終目的である霊的同胞世界が実現します。神の摂理(霊的真理)は物質至上主義で生きる地上人には厳しい規律ですが、その裏には人間の霊的成長を願う「神の愛」が存在します。

 人間の本質は神から与えられた「ミニチュアの神(神の分霊)」です。それを顕現させるには厳しい試練によって磨かれなければなりません。「霊主肉従の努力」「利他愛の実践」「苦しみの甘受」、これが霊的成長を目指す者の実践内容です。利他愛を実践するには先に「霊主」になっていることが必須条件です。霊主になってこそ最も重要な「利他愛の実践」が可能になります。霊界では肉体がないため「霊主肉従の努力」は当てはまりません。霊界人は互いに奉仕し合うことで、それがそのまま信仰実践になっています。霊界ではそれが常識であり、絶対忠誠を捧げるべきは「神」と神の造られた「摂理」であることをすべての霊が確信し実行しています。

 知識には責任がともないます。霊的真理の‶点の理解″でも‶部分的理解″でもなく、スピリチュアリズムの全体像を‶トータル的・統括的に理解し本質を見抜くことが必要″とされています。スピリチュアリストを自認する私は、霊界人の立場に立って全体を眺めるという霊的視野を身に付けて、霊界人の願い・イエスの願いをくみ取り、精一杯道具としてお役に立つ生き方をして価値ある人生を歩みたいと切に思います。

 ——シルバーバーチの言葉——

「宗教の教義(信条)による束縛は、地上界の悲劇の一つです。それは重い疫病よりも悪質で、肉体の病気の苦しみよりも、はるかに酷い苦痛をもたらします。なぜならそれは‶魂の病″を生み出し、霊に目隠しをしてしまうからです。」(教え上)

「地上には永い間、あまりにも多くの宗教が存在し、それぞれに異なる教えを説いてきました。しかし、それらの宗教が最も大切にしてきたものは、実際には何の価値もありません。(中略)いたずらに人類を分裂させ、障壁をつくり、国家間、さらには家族間にも、無用の争いを招いてきました。論争を引き起こし、混乱と不調和を助長することばかり行ってきました。神の子供たちを一つに結びつけることに失敗してきたのです。」(Silver Birch Anthology)

「私が非難しているのは‶組織″です。組織が真理への道を閉ざし、古い慣習を温存し、精気みなぎる霊力が顕現するための場所を奪い去っているからです。そんな教会に、どうして霊力が顕現できるでしょうか。」(教え上)

「教義は必ず魂の足かせになるということを忘れないでください。教義を重んじることで立派になれるのではありません。教義を無視しても立派になれるのです。キリスト教では教義の名のもとに、殺し合いと火刑を行ってきました。魂を縛るもの、魂を閉じ込めるもの、魂の自由な顕現を妨げるものは排除しなくてはなりません。」(教え上)

「私たちの前途には奉仕(サービス)の分野がいくらでも広がっています。私たちの行く手には、古い慣習を捨て、過去の信仰に頼らず、懐疑に耐え得る真理を求めながらも、どこへ向かえばよいのか分からずに迷っている多くの人々を救うことができるという喜びが待っているのです。そうした人々にこそ霊的真理と霊的摂理をお届けするのです。内部に宿る霊的資質に気づかせ、自分たち自身も大霊であるということを理解させてあげるのです。それによって彼らは、激怒し復讐心に燃える神の前にひれ伏すような卑屈な信仰を捨て去るようになります。」(教え上)

 *これらの引用についてはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。