「イエスの復活の真実」を読んで

a.keyword { border: 0 !important; text-decoration: none !important; pointer-events: none !important; cursor: default; color: #5A5A5A; }

私は若いころからイエスに関心があり、図書館で小学生向けの「聖書物語」をよく読んでいました。「聖書」そのものは難し過ぎたので理解しやすいものを選んだのです。生前のイエスが起こした奇跡や磔刑という悲劇、そして復活の物語に感動したものでした。誰もいない教会に一人で入り、十字架のイエスに手を合わせたものでした。別にクリスチャンでも何でもないのにです。イエスに何か偉大なものを感じていたのです。そして今、シルバーバーチによってイエスについての詳細を知るという幸運に恵まれました。

 キリスト教はイエスの復活から始まりました。「復活」という奇跡は、イエスが‶唯一神の子″であった証であり、それを信じた者だけがクリスチャンと認められました。聖書には、復活の他にもイエスによるさまざまな奇跡が記されています。その中で‶イエスの復活″を最大級の奇跡と考えます。しかしイエスの弟子やほとんどの人達には内心、信じられないことでした。弟子達は、イエスが生前の姿を取って現れ、直接対面し、言葉を交わして初めて「復活」が事実であることを認めました。その後2千年間にわたってキリスト教の歴史を刻むことになりました。

 現代の‶聖書学研究″の見解は、「聖書は多くの矛盾を含む人工的な書物」であることを明らかにしました。事実、歴史的事実の証拠と言える内容に乏しく、神話や他の宗教から取り入れられた記述が多く、実際には人間の手でつくられた人工の書物・後世の人間によって創作された書物であることが知られるようになりました。現代科学は、イエスの復活について「超常現象や臨死体験は脳内における主観的現象であって、実在しない」との立場に立っています。それから2千年後の現在、「シルバーバーチ」の出現によって真実が明らかになりました。シルバーバーチは「イエスの復活は事実である。復活は実際に発生した出来事である」と言っています。

 イエスの復活は、エクトプラズムによる「物質化現象」でした。スピリチュアリズムの心霊実験において、次々と他界者(死者)の生前の姿が再現されたことを考えると復活という現象は、イエスに限った現象でないことが分かります。シルバーバーチは「イエスの復活は‶心霊法則″を熟知していたイエスがそれを駆使して起こした心霊現象である」と言っています。当時イエスの弟子たちはイエスの復活が‶メシア″であることの証明と考え、弟子の一人であるパウロは、「イエスは人類の罪を背負い、十字架で死ぬことで贖罪を可能にした」としたのです。そして復活したイエスを、人類を救うメシアであると信じることによって、罪人である人間は救われるという「キリスト救済論」が形成されることになりました。

 イエスの真意は復活の事実によって、「自分は今も生きている。肉体の死後も生命は続く」ということを示そうとしたのでした。しかしイエスの願いに反して、「イエスの贖罪によって人類は救われる」という間違った考え方(贖罪説)がつくられ、それがキリスト教の正統な教えとして広まっていくことになりました。イエスは死後も霊界からの働きかけを続けますが、事態はイエスが思ってもみなかった方向に進んでいき、それがイエスに深い悲しみをもたらすことになったのです。

 イエスの本当の使命は、ユダヤ教の中に埋もれていた「基本的な霊的真理」を人々に示して、正しい生き方を促すことでした。「基本的な真理」とは「神を愛し、自分を愛するように隣人を愛する」という利他的精神、すなわち‶黄金律″のことだったのです。そしてもう一つが「物より心(魂)を重視し、物的富より霊的富を優先する」というものです。これはシルバーバーチの教えの「利他愛の実践」と「霊主肉従の努力」と同じものです。

 イエスが示そうとした「神の国」は、人間の心の向上にともなって現れる内面世界(霊的世界)のことです。イエスの生前の教えは実にシンプルなものでしたが、当時の人々は「霊的無知」が過ぎたため、イエスの真意を理解できなかったのです。イエスが説いた‶愛の教え″は、イエスの死後、‶贖罪による救済論″によって片隅に追いやられ、その間違った教義が人々を‶霊的牢獄″に閉じ込めて、宗教戦争魔女狩りなどの凄惨な出来事を引き起こすことになったのです。

 現代に至ってシルバーバーチの出現により、イエスの復活の真意が明らかになりました。幸いなことに私達は、霊訓本や普及会ホームページや読書会によって2千年前イエスが示そうとした「霊的真理」を間違うことなく、正確に、詳細に学ぶことができます。私達は霊的真理を正しく学ぶことによって霊的成長が可能になります。この特権を無駄にすることなく、価値ある地上人生を歩み、イエスの願う「真の霊界の道具」を目指して参りたいと思います。

 ——シルバーバーチの言葉——

「イエスは霊界へ戻った後、再び同じ姿を取って地上で縁のあった人々の前に現れました。これをキリスト教では‶復活″と呼んでいます。イエス以前にも死者が生前の姿で現れた例はたくさんありますし、イエス以後にも数えきれないほどあります。」(教え上)

——イエスの言葉と思われる——

神の国は、見られるかたちで来るものではない。また『見よ、ここにある』『あそこにある』などとも言えない。神の国は、実にあなた方のただ中にあるのだ。」(ルカ17章20節~21節)

 *「イエスの復活の真実」はスピリチュアリズム普及会ホームページのインフォメーションに詳細が掲載されています。なおこれら引用についてはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。