摂理観(さまざまな摂理と特徴)

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神は摂理を造り、摂理を通して被造世界(霊界・物質界)と被造物(全存在物・全生命体)の存在を支配し、維持・管理しています。摂理は不変であり、人間の感情が入り込む余地も、例外も一切なく、永遠に存在し続けます。永遠の霊的真理とは、神が造った摂理のことを言います。摂理の完璧性は、神の完全性と全知全能性の反映であり、人間はその摂理を通して神を知ることになります。それが「摂理としての神」であり、シルバーバーチの神観の最大の特徴となっています。

神と人間は、摂理を介した間接的な関係であり、これがシルバーバーチによって知ることになった画期的事実です。人間サイドから見ると神は常に「摂理」として現れ、それが人間を機械的に支配する‶冷たい神″として映ることになります。しかし冷たい摂理の背後には、人間の霊的成長を願う神の愛が存在しています。神はご自分の造られた摂理を通して被造世界・被造物のすべてを把握しているため、誰一人として神の認識から外れたり、忘れ去られることはありません。神と人間の正しい関係(間接的関係)を理解して初めて、正しい信仰をなすことができます。

「摂理としての神」とは「大霊としての神(遍在する神)」のことであり、神の摂理による支配と影響力は、霊界・宇宙とそこに住むすべての意識体(宇宙人も)・生命体に及んでいます。「摂理としての神」は「大霊としての神(遍在する神)」と表裏一体と言えます。神の造った摂理(法則)には、さまざまな次元のものがあります。人間を支配している摂理もさまざまで、それらが重複・重層構造をなし、絡み合って存在しています。大枠となる一つの大きな摂理の内側に別の摂理があり、全体として大きな摂理を形成しているのです。

<人間を創造し、存在させる摂理・法則>

    ・物質的法則(物質次元の摂理)
 ・生命法則(生命体・生物を支配する摂理)
 ・サイキック法則(サイキックレベルを支配する摂理)
 ・精神的法則(精神的レベルを支配する摂理)
 ・霊的法則(霊的レベルを支配する摂理)

「摂理」とは、神が人間を幸せにするために設けた仕組みであり、それに一致した生き方をすることで調和状態に置かれ、最高レベルの幸福感が得られることになります。人間の幸・不幸は摂理に一致するかしないかで決定するのです。摂理と人間の幸福は、表裏一体の関係にあります。つまり、「摂理(真理)とは何か」を知らずに、摂理に一致した生き方はできないことになります。

神の摂理にそうための忠実な努力が「正しい信仰」です。人間の幸せを願う神の配慮から定められた摂理を無視しては、幸せは得られません。「正しい信仰」とは摂理に自分を合わせていく努力(自力信仰)をすることであり、それによって霊的成長が達成されるようになっています。従来の宗教「神にすがれば、神が救ってくれる」という他力信仰は間違っています。

又、摂理による支配を踏まえた上での神への語りかけが「正しい祈り」です。「祈り」とは、神に語りかけるという、人間にとって重要な信仰的行為であり、重要な霊的実践内容です。摂理にそっていない祈りは、どれほど真剣であっても意味のない行為です。自分自身の願い事を訴えることは、正しい祈りではありません。従来の宗教の願い事信仰・ご利益信仰の原因は、「摂理」に対する霊的無知によるものです。

シルバーバーチの言葉を掲載して終わります。なおこれらの引用にあたっては、スピリチュアリズム普及会さんの許可を得ています。

「物的世界は、他のすべての世界と同じく、絶対不変の摂理によって支配されております。その摂理は無限の過去から存在していましたし、これからも無窮の未来まで存在し続けます。予期しなかった事情が生じて改めざるを得なくなることはありません。これまでの摂理では間に合わない新たな事態が生じるということも絶対ありません。その作用は完璧であり、停止することも、無効になることもありません。無限の知性によって考案されたものだからです。」(シルバーバーチ
「すべての人間、すべての事柄が自然の摂理によって規制されております。それには手落ちというものがなく、数学的正確さをもって働き、絶対に間違いを犯しません。宇宙間のありとあらゆる存在がその中に包摂されていますから、何一つ、誰一人として排除されたり忘れ去られたり無視されたりすることがないのです。壮大なものから微細なものに至るまで、単純なものから複雑なものに至るまで、あらゆる存在を自然の摂理が支配し支え規制しているのです。」(シルバーバーチ
「宇宙は、誤ることのない叡智と慈悲深い目的をもった法則によって統括されています。その証拠に、あらゆる生命が暗黒から光明へ、低きものから高きものへ、不完全から完全へ向けて進化していることは、間違いない事実です。このことは、慈悲の要素が摂理の中に配剤されていることを意味します。ただ、その慈悲性に富む摂理にも機械性があることを忘れてはなりません。」(シルバーバーチ
「今あなたは神を大自然の法則と同一視しているとおっしゃいました。しかし神は大自然の法則よりもっと大きい存在です。なぜなら、その法則を支配しているのが神だからです。」(シルバーバーチ
「大霊による直接の関与などというものは絶対にありません。」(シルバーバーチ
「地上界のすべて、霊界のすべて、宇宙のすべて、そしてまだあなた方に知らされていない世界のすべてが、大霊の法則の絶対的な支配の中にあるのです。その法則から離れては何ひとつ生じません。すべてが法則の範囲内で発生していますから、大霊はすべてを知っていることになります。」(シルバーバーチ
「私が摂理の存在を口にする時、たった一つの摂理のことを言っているのではありません。宇宙のあらゆる自然法則を包含した摂理のことを言います。それが完璧な型(パターン)にはめられております。ただし、法則の裏側にはまた別の次元の法則があるというふうに、幾重にも重なっております。」(シルバーバーチ
「摂理の裏側に別の次元の摂理があります。大自然の育成、国家ならびに民族の進化につかさどる摂理とともに、一人一人の人間を支配している摂理があります。これらが裏になり表になりながら働いているのです。無限の叡智というカギを手にしないかぎり、その全体に完全な調和が行き渡っていることを悟ることはできません。が、間違いなく調和が行き渡っているのです。」(シルバーバーチ
「神(大霊)の摂理はそのようにして働くのです。摂理に順応した生活を送っていれば、望み通りの結果が生じるようになっています。結果が出ないということは、摂理に一致した生き方をしていないことを示しています。」(シルバーバーチ
「神を人間の都合の良い方向へ向けさせようとしても無駄です。神の摂理は、計画通りに絶え間なく作用しています。賢明なる人間——叡智を身につけたという意味で賢明な人間は、摂理に文句を言う前に、自分から神の無限の愛と叡智に合わせていくようになります。」(シルバーバーチ
「いくら誠心誠意の祈りであっても、それだけで摂理が変えられるものではありません。いかなる教義を忠実に受け入れても、摂理を変えることはできません。」(シルバーバーチ