霊的人生 実践項目1、霊優位(霊主肉従)の努力

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(*スピリチュアリズム普及会ホームページ思想Ⅲより)
スピリチュアリズム人生(霊的人生)の第一歩は、霊優位のための闘いから始まります。「霊優位(霊主肉従)」は、霊的成長のための絶対条件・必須条件なのです。霊界人は肉体がないため、「肉優位(肉主霊従)」の状態になることはありません。内面の闘いを通して霊的成長し‶真の信仰者″となり、それから人々のために働くのがスピリチュアリストとしてふさわしい道なのです。「霊肉の闘い」を真剣にしている人間、心の清らかさを熱心に求めている人間は、肉体の力をコントロールすることの難しさを否(いや)というほど味わうことになります。そして肉体が重苦しい覆いとなって魂の自由を奪い去り、失敗と敗北の連続といった体験を余儀無くされることになります。

「霊優位の闘い」を通して霊的力・心の力が鍛えられ、霊的成長という宝を手にすることになります。人間に物質の身体を付与され、わざわざ不自由な環境に誕生することについては、こうした深い神の愛があったのです。「霊肉の闘い」の厳しさに打ちのめされ、肉欲の強さに辟易(へきえき)するようなことがあっても、嘆き悲しみ、絶望する必要などありません。人間は肉体の死とともに霊界入りしてからは、肉体を持ったかつての地上人生の意味がよく分かるようになり、霊的成長にとって本当に必要なものであったことを実感するようになるのです。

地上人は「霊優位」の状態を永続きさせることができず、すぐに「肉主霊従」に引き戻されてしまいます。「肉主霊従」という摂理に反した不調和な状態が続くと、やがて心身に苦しみや痛みを感じるようになり、否応なく「霊優位」の方向を目指すようになります。こうして地上人は「霊優位」の状態と「肉優位」の状態を行ったり来たりする中で、少しずつ霊的成長をしていきます。地上世界は失敗から学ぶように造られているため、挫けずにチャレンジするかぎり、スパイラルを描きながら少しずつ進化の道をたどるようになっています。

<霊優位のための具体的な実践内容とは>
スピリチュアリズムは、厳格な欲望抑制主義——霊的コントロールの努力は、各自の‶自由意志″のもとで実行され、克己の闘いによって霊性が高められていきます。地上人はその苦しい闘いを自分に強いることで、地上人生を価値あるものにするように運命づけられているのです。地上世界は‶物質主義″に覆いつくされ、霊的成長にとって最も困難な状況が展開しています。その最大の原因は、地上人の「霊的無知」にあります。そのためほとんどの地上人が本能的欲望に支配されて、快楽を追求するようになっています。
② 肉体本能からの3つの欲望——「金銭欲・物欲」「性欲」「名誉欲・支配欲(権勢欲)」これらの物質欲を抑制する日々の努力の積み重ねが必要です。すべての本能的欲望を霊的にコントロールする歩みです。物質中心主義によって引き起こされた大量生産・大量消費・贅沢志向の風潮は今や地球全体を覆いつくし、本能的欲望をよりいっそう追い求める社会をつくり上げてしまっています。同時に、人間にとって最も大切な「霊的幸福を奪い取る」という結果を生み出しています。そして経済的に豊かになり、生活が保証されるようになった人々は次に追い求めるのが‶セックス″の快楽です。肉体本能の趣くままセックスに走ることで人間は「霊性」を曇らせ、ますます欲望のとりこになっていきます。十分なお金を手にし、物質的に恵まれた人間が最終的に追及するのが‶名誉欲″であり‶支配欲(権勢欲)″です。他人から称賛され、他人を意のままに動かしコントロールすることが快感になってくるのです。
③ 健全な禁欲主義的生き方
●質素な生活——衣食住には、必要最低限あれば事足りるものなのです。「生活できればそれでよし」といったところで線を引くべきです。お金があってもそれに翻弄されることなく、お金を自分の意思でコントロールし、質素な生活をすることです。余分なお金は人助けのために使うべきであり、使い方によってスピリチュアリストとしての資質が試されているのです。
貞節を守る生活——「スピリチュアリストは性欲をコントロールし、清らかな生活を心がけなければならない」女性・男性ともに貞操が要求されます。‶性欲″との闘いは、「霊主肉従」の努力の中でも厳しいものの筆頭にあげられます。何百年、何千年後には‶霊中心主義″が人類の常識となっており、醜悪な欲望追求の風潮は跡形もなくなっています。今の時代は暗黒の環境の中で‶理想の光″を目指して最大限の努力をして行くことしかできませんが、苦労した分だけは、摂理の働きによって必ず霊的恩恵がもたらされるようになります。
●謙虚な道具意識を持った生活——名誉欲や支配欲を追求するほど、他人からの裏切りや孤独・寂しさという形で自分の身に返ってきます。その間違いに気づき、見返りを一切求めない無償の愛・無私の奉仕の尊さを知った人は幸いです。霊界の道具としての純粋な奉仕精神を持ち、自分を忘れてひたすら他人に尽くすことだけが、私たちのなすべき道なのです。

*まとめ・・・金銭欲・物欲・性欲・名誉欲・支配欲(権勢欲)は、いずれも物質主義に発するエゴイズムから生じたものです。そうした本能的欲望は「神の摂理」からずれたものであるため、いつか必ず病気や孤独という苦しみ・痛みとなって自分に返ってきます。スピリチュアリズムにたどり着いた者の生き方は、物欲に対しては「質素」、野放しのセックスに対しては「清らかさと貞節」、名誉欲・支配欲に対しては「霊界の道具としての謙虚さ」を常に心がけなければなりません。スピリチュアリズムに導かれて霊的人生を送るチャンスを真っ先に与えられた私たちが、生涯を通して実践すべき内容です。

「霊的エネルギーを高める努力のプロセス」——これがスピリチュアリストにとっての霊的修行であり霊的訓練です。その霊的修行を成功に導くためには霊的な武器・手段が必要となります。それが「霊的真理」「祈り」「一時的な禁欲」「スピリチュアリストとの霊的交わり」です。
●霊的真理——霊的真理に深く感応できる人は、多くの霊的エネルギーをすばやく取り入れることが可能です。
●祈り——「霊的エネルギーが満ちていなければ深い祈りはできない」そのため「霊的真理」をじっくり読むこと。運動や労働によって汗を流し、肉体の調和を取り戻す(入浴も効果的)。自然の中に身を置いて、気分をリフレッシュする。良い音楽を聴く。等
●一時的な禁欲——節食や短期の断食。等
●スピリチュアリストとの霊的交わり——信仰仲間との霊的交わりを持つ。

こうした‶霊的武器″を上手に活用することで、霊的エネルギーが「霊の心」に流れ込み、そこが充電されます。そこから霊的意識が活性化され、心全体が霊優位の状態に変化するようになるのです。

——シルバーバーチの言葉——
「霊が主人で物は従僕です。常に霊に係わることを優先させなさい。」(霊訓 12)
「霊的知識を有する者はそれを正しく運用して、物的要素に偏らないようにしなければなりません。霊的要素の方に比重を置かなければいけないということです。」(霊訓 1)
「私は決して肉体ならびにその必要品をおろそかにしてよろしいと言っているのではありません。肉体は霊の大切な道具ではありませんか。一人でも多くの人に、正しい視野を持っていただき、自分自身の本当の姿を見つめるようになっていただきたいのです。自分というものを肉体だけの存在、あるいは、せいぜい、霊をそなえた肉体だと思い込んでいる人が、まだまだ多すぎます。本当は肉体をそなえた霊的存在なのです。それとこれとでは、大違いです。」(霊的新時代の到来)
「一般的に言って人間は、肉体にかかわることはおろそかにしておりません。むしろ甘やかしすぎです。必要以上のものを与えています。(中略)肉体にとってなくてはならぬものと言えば、光と空気と食べ物と運動と住居くらいのものです。衣服もそんなにあれこれと必要なものではありません。慣習上、必要品となっているだけです。」(霊的新時代の到来)
「精神的にも霊的にも自己を厳しく修養し、生活のすべての側面を折り目正しく規制し、自分は本来は霊であるという意識をもって、行動のすべてに霊の優位性を反映させなさい。霊の優位性の自覚にもとづく修養的生活——これが最高の生き方です。」(最高の福音)

*なおこれらの引用にあたってはスピリチュアリズム普及会の許可を得ています。