霊界について

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●人間観…人生観…死生観…死の直後…幽界…霊界…再生観(人間が今後たどる道筋)

人間は死後「幽界」の生活を通じて地上生活での物質臭を取り除き、純粋な霊的世界へと進んでいくことを学んできました。ここでは人間にとって本来の住処である霊界について学びます。

霊界もまた霊性によって住み分けられた無数の界層で成り立っております。そして一つの界層は霊性や性格・嗜好品の似た者同士が共同生活を営み、ともに霊的成長をしています。次元の異なる無数の界層が重複して一つの場に存在しています。高い界層ほどバイブレーションは精妙になり、低い界層ほどバイブレーションは粗雑になります。

そしてそれぞれの界層は一線を引いて区別されているのではなく、グラデーション的に連続し融合して繋がっています。地上では全員が同一平面上で生活し、しかも他人の霊性レベルの程度は知ることはできません。が、霊界ではそれぞれの霊性レベルに見合った界層に磁石のように引き寄せられて行きます。そしてレベルの違う界層との交流・コミュニケーションはありません。

霊は高い界層に入るに相応しい霊性が備わるまでは、自分の霊性以上の世界へ行くことはできません。宗教で言う終末における最後の審判によって、天国と地獄に行く者が振り分けられるということはありません。一人一人の霊性レベルに相応しい界層に自動的に落ち着くようになっています。(例外的なケースとして、霊性が一定レベル以上に達すると、下の界の霊や地上人を指導啓発するという目的と同時に、自分の霊的成長のため自分のバイブレーションを下げて下層界へ赴くことがあります。そして役目を終えると元の界層にもどります。)

霊界での生活を通じて霊的進化が促され、それまでいた階層が自分の霊性に合わなくなると、一種の眠りのような状態に入り、やがて完全な睡眠状態から目覚めるとすでに新しい界層に移動しています。霊界では霊性の進化向上を続ける中で幾度も階層を上昇していくことになります。その時の霊的身体は粗雑な状態からますます精妙化へと変化していきます。新しく移動する階層に合わせてグラデーション的に状態変化するのです。

幽界では地上で愛し合った家族・夫婦関係を維持できますが、霊界では地上臭が取り除かれ霊的に向上した場合、家族・夫婦・兄弟姉妹とはバラバラになり別々の歩みをするようになります。地上時代の関係を大切にしつつもそれ以上に「霊的成長」への願望と関心が強く心を占めるようになります。そのため地上世界のような愛にまつわる利己的感情(嫉妬)も存在しなくなります。霊界では「利他愛」という本当の愛だけが人間同士を結び付け、‶霊的絆″によって愛の関係が維持されます。

地上では血縁関係で一家を構成し生活しますが、霊界では霊性レベルの同じ者同士で霊的グループ(霊的家族)がつくられ、共同で霊的成長をしていきます。「魂と魂の結びつき」であり‶霊的愛″という「霊と霊の絆」の関係です。地上で言う性欲・独占欲・嫉妬という利己的愛はすでにありません。お互いが霊的成長のために奉仕し合う‶霊的愛(利他愛)″の結びつきであり、しかも霊性が一致する者同士のグループによる共同生活となります。

霊界では男性・女性の区別がなくなっていきます。地上での結婚も同性愛もありません。純粋な霊的・精神的要素が人間を規定するようになります。地上での同性愛者は特別の内面的苦しみ・葛藤を体験しますが死後、すべての苦しみから解放され清らかですがすがしい心境になります。霊界は同性愛者にとっては‶真の救い″の世界となります。

霊界は幽界の素晴らしさを一段と高めたところと言えます。その素晴らしさは階層を上がれば上がるほど、いっそう高められるようになります。飲食・睡眠は必要なく病気や痛みもなく、自由自在に移動でき、コミュニケーションは思念(テレパシー)により瞬時に伝達され、偽善もウソも通用せず、本性そのままが露わに知られます。そのため誰もが素直に生きざるを得ないのです。

霊界での仕事とは利他愛の実践であり、すべての人が厳格な適材適所のもと理想的な仕事に喜びをもって臨んでいます。そして奉仕の仕事を通じて霊的成長を続けていくのです。霊界全体に至純の愛が満ち溢れ、この愛がすべての霊たちの心を結び付け、全員が「霊的同胞意識」を実感し、まさに‶神″を共通の親とする「霊的大家族世界」が実現しているのです。

霊界の説明を終わります。次回は「再生について」をお送りします。最後にシルバーバーチの言葉を掲載いたします。なおこれらの引用にあたっては、スピリチュアリズム普及会さんの許可を得ています。

「あなた方はまだ、霊の世界の本当の素晴らしさを知りません。肉体の牢獄から解放され、望むところへは自由に行け、心で考えたことが形を取って眼前に現れ、好きなことにいくらでも専念でき、お金の心配がない……こうした霊界の生活と比べることができるものは、地上には存在しません。あなた方はまだ霊的世界の喜びを味わったことがないのです。
地上の人間は、美しさの本当の姿を理解することはできません。霊の世界の光、色彩、景色、樹木、小鳥、川、渓流、山、花、こうしたものがどれほど美しいか、あなた方はご存知ありません。
地上の人間にとって「死」は、恐怖の最たるもののようです。が、人間は死んで初めて生きることになるのです。あなた方は自分では立派に生きているつもりでしょうが、実際にはほとんど死んでいるも同然です。霊的なことに対しては死人のごとく反応を示しません。小さな生命の灯火が粗末な肉体の中でチラチラと輝いてはいますが、霊的なことにはいっこうに反応を示しません。ただ、徐々にではあっても進歩しています。私たちの働きかけによって、霊的な勢力が物質界に増えつつあります。霊的真理の光が広まることによって、暗闇は後退しつつあります。
霊の世界は地上の言語では表現できません。譬えるものが地上世界には見いだせないのです。あなた方が、‶死人″と言っている霊界の者たちの方が、あなた方よりも生命の実相について、はるかに多くのことを知っています。
こちらの世界に来て、芸術家は地上で求めていた夢をことごとく実現させることができるようになります。画家も詩人も大きな夢を達成することができます。与えられた才能を思う存分発揮することができるようになるのです。こちらの世界では、あらゆる才能や素質は、お互いに奉仕するために用いられます。霊界における以心伝心の素晴らしさは、ぎこちない地上の言語ではとても表現できません。心に思うことが霊の言語であり、それが電光石火の速さで表現されるのです。
こちらには、金銭の心配がありません。生存競争というものがありません。弱者がいじめられることもありません。霊界での強者とは、弱者に手を差し延べる力があるという意味だからです。失業などというものもありません。スラム街もありません。利己主義もありません。宗派もありません。経典もありません。あるのは大霊の摂理だけです。」(シルバーバーチ

「霊界には地理的な仕切りはありません。‶意識の状態″があって、魂が進化するにつれて意識が高まる、ないしは深まっていくことの連続です。一つの意識状態と次の意識状態とは自然に融合しております。そこに仕切り線のようなものはありません。進歩とか開発とか進化というのは、一足飛びにではなく、粗野な面が少しずつ取り除かれて、霊的な側面が表に出てくるということの連続です。」(シルバーバーチ